御田八幡神社 / 東京都港区

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神社情報

御田八幡神社(みたはちまんじんじゃ)

御祭神:誉田別尊
相殿神:天児屋根命・武内宿禰命
社格等:延喜式内社(小社論社)・郷社
例大祭:8月上旬-中旬
所在地:東京都港区三田3-7-16
最寄駅:田町駅・三田駅・泉岳寺駅
公式サイト:http://mitahachiman.net/

御由緒

和銅二年(709)牟佐志国牧岡に東国鎮護の神として鎮祀され、延喜式内稗田神社と伝えられた。その後寛弘八年(1011)武蔵国三田の地に遷座され、嵯峨現時渡辺一党の氏神として尊崇された。俗に「綱八幡」と称する。江戸開幕のみぎり、僧快尊、元和五年(1619)現在地をトして造営を開始し、寛永五年(1628)八月遷座した。別当は八幡山宝蔵寺と称し天台宗に属する。神仏分離により別当僧復飾し神主職につく(石田弾正)。明治二年九月稗田神社と称号する。同七年一月三田八幡神社と改称し、同三十年四月三田冠称御田の旧名に復し、御田八幡神社と称号するに至った。昭和二十年五月東京大空襲により社殿炎上。同二十九年に氏子各位の協力により復興された。(境内の掲示より)

参拝情報

参拝日:2016/07/29(ブログ内画像撮影)
参拝日:2015/06/17(御朱印拝受)

御朱印

初穂料:300円
社務所にて。

御田八幡神社

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歴史考察

三田鎮守の八幡神社

東京都港区三田に鎮座する八幡神社。
『延喜式神名帳』には小社「武蔵国荏原郡 薭田神社」として記載されているとされる。
但し「稗田神社」には論社が数多くあるため、当社もあくまで論社という位置付けである。
江戸時代には江戸八所八幡宮の一社に数えられた。
旧社格は郷社で、三田の鎮守。

東国鎮護の神として創建・式内社としての伝承

社伝によると、和銅二年(709)、東国鎮護の神として牟佐志国牧岡に創建とある。

牟佐志国というのは武蔵国の事であろう。
牧岡という地名は現在は存在しておらず、古い資料にもほぼ見ることがない。
恐らく三田白金界隈であるのだろう。

延長五年(927)に編纂された『延喜式神名帳』では、小社に列格する「武蔵国荏原郡 薭田神社」と記載されているのが当社だと伝わる。

但し「薭田神社」はどの神社であったのかは今もなお不確定であり、所在は不明となっている。
式内社「薭田神社」については、古くから比定される神社が多くあり論議されてきたため、「薭田神社」であったとされる論社は複数存在している。
当社の他に大田区蒲田「薭田神社」が代表的な論社であり、他にも大田区南久が原「鵜ノ木八幡神社」なども論社とされる事がある。

延喜式内社に比定される古社。菖蒲(あやめ)のカラフル御朱印とその由来。行基や日蓮の伝説。式内社論社の考察。蒲田村鎮守として崇敬と分村。蒲田の中心だった戦前。江戸時代の石鳥居・新造営された社殿。本務社は「蒲田八幡神社」。御朱印。
平成の再建。天明一族の守護神として創建。鵜ノ森明神社の謎・鵜の木の地名由来。延喜式内社「薭田神社」の論社の考察。御朱印。

このように当社は延喜式内社(論社)と云う事ができるだろう。
いずれにせよ、古くから崇敬を集めた歴史ある古社なのは間違いがない。

頼光四天王・渡辺綱の伝説と綱八幡と呼ばれた当社

寛弘七年(1011)、嵯峨源氏渡辺一党の氏神として武蔵国御田郷久保三田に遷座。

久保三田とは窪三田とも記された場所で、後に三田小山町と呼ばれた地区。
三田小山の窪地にあるのでそう呼ばれた。
現在は地名として残っていないのだが、現在の三田一丁目付近である。

宿泊施設「東京さぬき倶楽部(旧・讃岐会館)」があるあたりに鎮座していたと伝えられており、「東京さぬき倶楽部」の敷地内にはそれを伝える石碑が残っている。

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嵯峨源氏渡辺一党の氏神として崇敬を集めた当社。
この嵯峨源氏渡辺一党の祖に、渡辺綱(わたなべのつな)という人物がいる。
正式は源綱(みなもとのつな)であり渡辺源次とも称された。

渡辺綱は源頼光の家臣で、頼光四天王の一人として名を馳せた人物。
『今昔物語集』『宇治拾遺物語』『御伽草子』などに名を見る事ができる。
頼光に従い、大江山の酒呑童子退治、京都の一条戻橋上で源氏の名刀「髭切りの太刀」で鬼の腕を切り落としたといった逸話で有名である。

このような有名な逸話から渡辺氏の氏神であった当社は、渡辺綱から俗に「綱八幡」と称された。

江戸時代に当地へ遷座

江戸時代に入り、寛永五年(1628)に現在地へ遷座。
別当は天台宗の「八幡山宝蔵寺」であった。

寛文八年(1668)に発生した大火によって社殿は全焼。
寛文十二年(1672)に社殿が再建される。
以後、三田の鎮守として崇敬を集める。

天保年間(1834年/1836年)に発行された『江戸名所図会』に当時の様子が描かれている。

御田八幡神社国立国会図書館デジタルコレクションより)

「三田八幡宮」として描かれているのが当社。
石段の上に鎮座しており規模や配置も現在とあまり変わらない。
石段の下の右手には別当寺「宝蔵寺」の姿も見える。

当社前を通る街道は主街道である東海道で、現在の第一京浜である。
そのすぐ手前が江戸湾の海になっていて、埋め立てによって現在とは海岸線の位置がかなり変わってくるのが見てとれる。
江戸時代は、現在の山手線の線路の場所が海岸であった事が伺えるが、明治になり芝浦の埋め立て事業によってこうした海岸は消えていく事となる。
街道沿いに鎮座する当社が大いに崇敬を集めた事が伝わる一枚。

江戸時代には「江戸八所八幡宮」に数えられ、江戸を代表する八幡社の一社であった。
幕末の慶応元年(1865)、神祇官により延喜式記載の「稗田神社」に改称している。

御田八幡神社への改称と戦後の再建

明治になり神仏分離。
明治五年(1874)郷社に列する。
これを機に「稗田神社」から「三田八幡神社」と改称。
なお、別当寺「宝蔵寺」は廃寺となっている。

さらに、明治三十年(1897)、三田を旧名であったという御田に復し「御田八幡神社」に改称して、現在に至っている。
image拝殿の扁額には「御田八幡宮」の文字となっている。

第二次世界大戦が始まると、昭和二十年(1945)の東京大空襲で社殿が焼失。
戦後の昭和二十九年(1954)に社殿が再建。

平成二十一年(2009)には、鎮祀1300年記念祭が行われた。

オフィス街に鎮座・鬱蒼とした境内

オフィス街の一角に鎮座する当社。
札の辻交差点近くの第一京浜沿いに鎮座しており、社号の書かれた大きなビルが特徴。
imageこのビルの隣に鳥居があり当社が鎮座している。
imageこの日は例祭の準備で提灯など多く飾られていたが、普段は右手の提灯の位置に社号碑がある。

鳥居の先にはやや急勾配な石段。
image江戸名所図会にも描かれていた石段である。
この右手にはやや緩やかになった石段もあり、表参道が男坂、緩やかなほうが女坂なのだろう。
石段を上ると右手に手水舎、正面に社殿となる。

社殿は戦後の昭和二十九年(1954)に再建されたもの。
image鬱蒼と茂った緑の中に佇み、都会の喧騒を忘れさせてくれる立派な社殿となっている。
オフィス街にありながら緑を多く残した境内は大変貴重である。

境内社は社殿の左手に五光稲荷神社と御嶽神社。
imageさらにその奥にも小さな稲荷社が鎮座している。

境内の左手には神楽殿がある。
imageこの神楽殿の前にベンチが置かれており、こちらが近隣のビジネスマンの憩いの場となっている。
日中に参拝すると、こちらで休憩されている方やお弁当を食べている方などをよく見かける。

御朱印は社務所にて。
丁寧に対応して下さった。

所感

三田の鎮守として崇敬を集める当社。
何度かの遷座と社名変更があり、現在は三田の旧地名とされる御田を名乗っている。
オフィス街にあり、ビルに挟まれる形での鎮座ではあるが、境内には鬱蒼と茂った緑を残しているため、都会の喧騒を感じさせない清々しい空気の境内となっているのが特徴。
境内にはベンチも設置されており、地元の方々やオフィス街の人々の憩いの場にもなっていて、いつ参拝してもベンチで過ごす方の姿を多く見る事ができる。
都心の大通り沿いにありながら、こうした憩いの場としての鎮守が今も残っているのが喜ばしい。
規模はあまり大きくないが良い神社である。

神社画像

[ 社号ビル ]
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[ 鳥居・社号碑 ]
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[ 参道 ]
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[ 石段 ]
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[ 狛犬 ]
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[ 石段(女坂) ]
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[ 手水舎 ]
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[ 拝殿 ]
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[ 本殿 ]
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[ 狛犬 ]
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[ 五光稲荷神社・御嶽神社 ]
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[ 稲荷神社 ]
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[ 神楽殿 ]
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[ 手水舎 ]
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[ 案内板 ]
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Google Maps

    脚注
  • 当ブログに掲載している情報は筆者が参拝時の情報です。最新のものではない可能性がありますのでご理解下さい。
  • 当ブログ内の古い資料画像は「国立国会図書館デジタルコレクション」の「インターネット公開(保護期間満了)」から使用しています。
  • その他、筆者所有以外に使用した資料画像がある場合は別途引用元を明示しています。
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