多摩川七福神巡りとは
「多摩川七福神巡り」は、平成二十六年(2014)に町おこしの一環で始まった比較的新しい七福神巡り。
矢口・下丸子地域は、1358年(正平13年)、新田義興が多摩川の矢口渡で謀殺されたという伝説に関連する様々な逸話や史跡が残っている地域です。
2014年、この地域に『多摩川七福神』が設置され、新しい歴史が始まります。
多摩川七福神は、この地で暮らす人々や、この地域を訪れる人々の”心のよりどころ”として、未来への希望と生きる力を与えてくれる神様達です。
この機会に「多摩川七福神パワースポット巡り!」で、ご自身やご家族の福運祈願を行いながら、先人たちの思いや数々の歴史の証(地域資源)との出会いをお楽しみください。(頒布の資料より)
色紙の販売場所・巡拝方法
七福神巡りの色紙の販売(1,000円)は「新田神社」のみで行われる。
色紙は通年販売しており、一年を通して巡ることができる七福神巡りとなっているのが特徴。
「新田神社」で全部の印(スタンプ)を押す事が可能。
流れとしては以下の通り。
他の七福神巡りとは少し違いがあるので注意が必要。
全て徒歩で巡った場合、所要時間は1時間30分程。
正月三が日限定御朱印
平成三十年(2018)正月三が日まで限定で、「新田神社」にて多摩川七福神の限定御朱印を授与。
1月3日までの限定ですので現在は頂く事ができないものの、来年も開催するかもしれないので、気になる方は忘れず公式X(Twitter)を確認して頂きたい。
多摩川市七福神一覧
新田神社
新田神社
七福神:恵比寿
所在地:東京都大田区矢口1-21-23
南朝の忠臣である新田義興公をお祀りしている御霊信仰の神社。
社殿の後方には円墳があり義興の遺骸を埋めた墳墓と伝わる。
平賀源内『神霊矢口渡』の舞台になるなど縁が深く、破魔矢発祥の地として知られる。
地域の中核神社で参拝者も多く、初詣時は多くの人々で賑わう。
見どころも大変豊富で、神輿庫に恵比寿神が祀られている。
正月期間などは神輿庫が開放されていて内部を見る事が可能。
可愛らしい恵比寿神の姿が御開帳。
七福神以外にも、カラフルな御朱印も魅力で、御朱印帳の頒布も行っている。
「新田神社」は歴史も深く見どころも多いため、詳しい説明は下記の個別記事をご覧頂きたい。
頓兵衛地蔵
頓兵衛地蔵
七福神:布袋尊
所在地:東京都大田区下丸子1-1-19
新田義興公の謀殺に加担した船頭の頓兵衛が、罪を悔いて地蔵を建立したため「頓兵衛地蔵」と称され、平賀源内『神霊矢口渡』にも登場する。
義興公の祟りで地蔵の顔は溶けてしまったと云い「とろけ地蔵」の別名も持つ。
多摩川七福神の布袋尊を担っており、堂内にその姿を見る事が可能。
その奥には「とろけ地蔵」の異名も持つ頓兵衛の姿も見えるので拝むと良い。
「史跡 矢口ノ渡頓兵衛地蔵尊堂」の碑が目印。
矢口中稲荷神社
矢口中稲荷神社
七福神:福禄寿
所在地:東京都大田区矢口1-5
約200年前の凶作の際に、百姓・金子作衛門が「伏見稲荷大社」の御神霊を勧請。
村を挙げて祈念すると、大豊作となったと云う。
昭和十年(1935)に現在地に遷座。
武蔵新田駅のホームに沿うように鎮座していて最も駅から近い神社。
お稲荷様らしく神狐像も置かれた小さな境内。
基本的に「新田神社」で全ての印(スタンプ)を押す事ができるが、正月期間はこうして各寺社にも無人スタンプ台が置かれており、巡拝しながら押す事も可能となっていた。
氷川神社
氷川神社
七福神:大黒天
所在地:東京都大田区矢口1-27-7
御由緒などは不詳ながら、当地の氏神様として崇敬を集める。
大田区唯一の氷川神社としても知られ、境内には児童公園が隣接している。
児童公園に隣接(児童公園内)に鎮座する神社。
社殿内に多摩川七福神の大黒天が祀られている。
普段は社殿の扉は閉じられているものの、正月期間に参拝すると御開帳されている。
七福神以外にも当社の御朱印を「新田神社」で頂く事ができる。
「矢口氷川神社」の詳しい説明は下記の個別記事をご覧頂きたい。
延命寺
延命寺
七福神:寿老人
所在地:東京都大田区矢口2-26-17
その後、新田義興公が謀殺されると、謀殺に加担した江戸遠江守を義興公の怨霊が追いかけ、江戸遠江守が逃げ込んだ当寺に、雷火となって落ち、火災が発生して焼失。
本堂は焼失したものの、聖徳太子が彫ったと伝わる地蔵尊像だけが難を逃れた。
以来、その地蔵は「火雷除子安地蔵尊(延命地蔵)」と命名され、寺名も「延命寺」として再建された。
住宅街の一画にある寺院。
立派な本堂があるが、寿老神が祀られているのは向かって右手。
このお堂の中に寿老神が祀られている。
内部には可愛らしい寿老神の姿。
東八幡神社
東八幡神社
七福神:弁財天
所在地:東京都大田区矢口3-17-3
江戸時代は「湯坂八幡」「東八幡宮」とも称された。
明治に「西八幡」と呼ばれた「領家八幡」を合祀し、現在の社名に改称。
多摩川の河川敷近くに鎮座する八幡様。
近年になって塗り替えられた朱色の社殿が特徴的。
社殿の中には弁天様も祀られている。
可愛らしい弁天様の姿。
快晴時(特に冬晴れ)は、社頭の信号を渡って多摩川の河川敷に出てみて欲しい。
右手に富士山を見る事ができる。
七福神巡りをしながら富士山を遥拝できるとは、実に贅沢な七福神巡り。
七福神以外にも当社の御朱印を本務社「徳持神社」で頂く事ができる。
「東八幡神社」の詳しい説明は下記の個別記事をご覧頂きたい。
十寄神社
十寄神社
七福神:毘沙門天
所在地:東京都大田区矢口2-17-28
「十寄神社」と書いて「とよせじんじゃ」と読む。
江戸時代の頃から、当社に参拝後に新田神社へ参拝すると願い事が叶う伝承があり、古くから「新田神社」と共に当社を参拝する人が多い。
新田義興公と、その後家来衆を祀る神社。
最初に当社へ参拝してから「新田神社」へお詣りすると願い事が叶うと信仰を集めており、享和二年(1802)の社号碑が現存。
参道は駐車場となっていて手狭ながら、朱色の社殿が映える。
普段は閉まっている社殿だが、正月期間などは開放されていて内部を見る事が可能。
内部には可愛らしい毘沙門天の姿が御開帳。
七福神以外にも当社の御朱印を本務社「徳持神社」で頂く事ができる。
「十寄神社」の詳しい説明は下記の個別記事をご覧頂きたい。
多摩川七福神MAP
基本的に巡拝の順番は自由。
マップを確認した上で、参拝し易い順に巡るとよい。
「新田神社」(色紙購入)→「頓兵衛地蔵」→「矢口中稲荷神社」→「氷川神社」→「延命寺」→「東八幡神社」→「十寄神社」→「新田神社」(全てのスタンプ押印)
全て徒歩で巡拝した場合、所要時間は1時間30分前後。
ぜひご自分の足で巡拝して頂きたい。
所感
平成二十六年(2014)に町おこしの一環で始まった比較的新しい七福神巡り。
当地周辺には中核神社である「新田神社」を始め、新田義興公に縁のある寺社が多く存在。
そうした地域の歴史を信仰を学びながら巡拝できる七福神巡り。
通年で色紙を購入できたり、「新田神社」で全ての印(スタンプ)を押せたり、巡拝距離もそう長くないので、他の七福神巡りよりも気軽に楽しめると思う。
近隣の「武蔵新田商店会」ではこの「多摩川七福神」の他、「武者パレード」など様々なイベントを催していて、寺社と共に街を挙げて盛り上げようという気概を感じるのが特徴的。
地域の繋がりが深い神社・寺院というのは、巡拝していて心地よく、個人的にもとても好きなエリア。
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