豊受稲荷本宮 / 千葉県柏市

神社情報

豊受稲荷本宮(ゆたかいなりほんぐう)

御祭神:豊受稲荷大神
社格等:─
例大祭:5月3日(春季大祭)・11月3日(秋季大祭)
所在地:千葉県柏市豊四季972-14
最寄駅:南柏駅・柏駅
公式サイト:http://yutakainari.jp/

御由緒

豊受稲荷本宮は、全国でも珍しい神仏混淆(神仏習合)の稲荷神社です。
厄除祈願・交通安全祈願・地鎮祭・加持祈祷・七五三・結婚式等承っております。公式サイトより)

参拝情報

参拝日:2018/02/08

御朱印

初穂料:800円(作り置き)・300円(通常)
社務所にて。

※作り置き御朱印は複数種類があり期間限定のものもあり、通常共に別紙での授与。
※福絵師による直接手書き御朱印の対応は次回未定。

(作り置き御朱印/狐と張り子の犬)

(通常御朱印)

授与品・頒布品

打ち出の小槌
初穂料:─
社務所にて。


歴史考察

神仏習合(神仏混淆)のお稲荷さん

千葉県柏市豊四季に鎮座する神社。
「豊受稲荷」と書いて「ゆたかいなり」と読む。
戦後に創建した比較的新しい歴史の神社で、京都の「伏見稲荷大社」からの勧請。
「伏見稲荷大社」と同様に神社本庁には属していない単立神社であるが、創建者であり先代の宮司が神仏習合(神仏混淆)に拘り、様々な神と仏を祀ったため、現代では珍しい神仏習合の神社。
現在は伏見稲荷大社附属講務本庁の柏市ゆたか扱所として活動を行っている他、「かしわ七福神」の福禄寿を担う。

戦後に創建・神仏習合に拘った創建者

当宮は戦後に創建された比較的新しい神社。

昭和四十年(1965)、単立の宗教法人に認定。
昭和四十一年(1966)、「伏見稲荷大社」(現・京都府京都市)より神璽を授与され創建。

伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)は、稲荷神社の総本社。
式内社(名神大社)、二十二社(上七社)の一社、旧社格は官幣大社。
古くから稲荷信仰の中心として崇敬を集め、現在は千本鳥居など外国人観光客からも人気が高い。
1300年にわたって、人々の信仰を集め続ける「お稲荷さん」の総本宮 伏見稲荷大社の公式ホームページ

当宮の創建者は、石井善祥師という人物。
善祥師は神仏習合に拘り、「伏見稲荷大社」から勧請された後、行者として仏の道にも進み、資格を習得し、当宮を神仏習合の神社として整備を行っていったと云う。

戦後の話であるが、明治以降の神仏分離の影響は大きく、神仏習合の神社として整備するには多大な苦労があったと云う。善祥師は南柏などで屋台を引きラーメン屋などもやり、お金が貯まると様々な神仏を祀り整備していき、いつしか崇敬者が増えるだけでなく、修験者の修行道場としても崇敬を集めていく。

伏見稲荷大社附属講務本庁の柏市ゆたか扱所となる

昭和六十二年(1987)、善祥師が遷化。

遷化(せんげ)とは、高僧が亡くなる事。

善祥師には娘がいたと云うが早く亡くなってしまったため、当宮の篤い崇敬者であった現在の代表が二代目として後を継ぐ事となった。

二代目は一時的に関係が途絶えていた「伏見稲荷大社」との関係も復活させ、指導者の資格を授与され、伏見稲荷大社附属講務本庁の「柏市ゆたか扱所」として活動する事となった。
現在は社殿入口に看板が掲げられている。

伏見稲荷大社附属講務本庁とは、「稲荷大神の神徳を宣揚し、敬神尊祖の美風を涵養して、大社の隆盛を図る」と云う目的で設立された「伏見稲荷大社」の組織。
古くは江戸時代に多くの講中が組織され、明治の神仏分離・大教宣布後に布教活動のために組織された。
1300年にわたって、人々の信仰を集め続ける「お稲荷さん」の総本宮 伏見稲荷大社の公式ホームページ

二代目は善祥師の意思を継ぎ、神仏習合の神社を維持。
仏の道にも入り、神仏習合の神社として現在に至る。

また、当宮が「豊受稲荷」の「本宮」と称しているのは、埼玉県川口市に分社がある事による。「豊受稲荷(ゆたかいなり)」(埼玉県川口市朝日1-23

境内案内

イオンモール柏の裏手・小さなお稲荷さん

最寄駅は南柏駅もしくは柏駅で、イオンモール柏から線路を挟んだ裏手に鎮座。
社頭を通るのは県道261号線で、住宅に挟まれる形の境内。
鳥居が立ち「豊受稲荷本宮」の看板や、「豊受稲荷大明神」と記された幟が掲げられている。

鳥居を潜ると細い参道。
右手に手水舎。
昭和五十七年(1982)に奉納されたもので、綺麗に維持され清める事ができる。

豊受稲荷と書き「ゆたかいなり」と読む・朱色の社殿

正面に朱色で整備された社殿。
建物(社務所)が前にあるため、左半分が正面から見えない。
手狭な境内ながらも綺麗に整備され、崇敬者によって維持されている。
右の柱には「伏見稲荷大社講務本庁 柏市ゆたか扱所」の看板が掲げられているように、現在は稲荷信仰の総本社である京都の「伏見稲荷大社」と関係を密にしている。
当宮が創建された際に奉納された扁額には社号が記してあり、当宮は「豊受稲荷」と書き「とようけいなり」ではなく「ゆたかいなり」と読む。

社殿前には神狐像。
他にも狛犬が置かれ、崇敬者からの崇敬の篤さが伝わる。

神仏が祀られた社殿内部には護摩壇も

社殿内部では創建者である石井善祥師が拘った神仏習合の様子を見る事ができる。

筆者はブログ掲載にあたり社殿内部の写真を極力撮らないようにしているのだが、当宮では撮影許可を頂いたので、現代としては珍しい神仏習合の社殿の様子を掲載したい。

社殿内部には神仏が祀られている。
正面手前にあるのが護摩壇。

当宮では毎月1日と、15日に近い日曜日の月2回の月次祭で護摩が行われる。
護摩(ごま)は、本来は仏教の密教の修法であるので、密教や修験道で行われるが、神仏習合の当宮では今も護摩が定期的に行われ、多くの崇敬者が集まる。

社殿の最も奥に祀られているのが神様。
神殿は三社あり、中央が稲荷神、左手は「伊勢神宮外宮」に祀られる豊受大神、右手は他の様々な神だと云う。

「伊勢神宮外宮(豊受大神宮)」に祀られている事で知られる豊受大神(とようけおおかみ)だが、神仏習合の時代は食物・穀物を司る女神として、稲荷神(うかのみたま)と習合し同一視されるようになっていた。
そのため神仏習合の当宮は今も主祭神を「豊受稲荷大神」としている。

その手前、護摩壇と並んで祀られているのが仏様。
左手に安置されているのが不動明王など、右手には弁財天などが祀られ、他に修験道の開祖とされる役小角(えんのおづの)などの姿も見る事ができる。

護摩の際に炎が狐の形となる・雑誌ムーにも掲載された様々な瑞祥

当宮では様々な瑞祥が現れる事でも知られる。
そうした瑞祥は雑誌『ムー』でも取り上げられた。

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代表的なものとして、当宮の月次祭で行われる護摩では、炎が狐の形になるというもの。
稲荷神の神使である狐の形となり、写真としても多く残されている。

他にも様々な瑞祥が現れる事で知られる。
千手観音の片目が開く、狐の姿をした白い影が通り過ぎるなどなど。
こうした瑞祥については、写真をアルバムで大切に保管しているものも多いため、ぜひお話好きな二代目(女性)に直接伺って頂きたい。

こうした瑞祥が起こる事から崇敬者も多く、一部ではパワースポットとしても知られる。

護摩の他、秋季大祭では火渡修行も行われるなど、密教や修験道の影響も色濃く残している。

様々な神仏像が安置・かしわ七福神の福禄寿

参道の右手には多くの碑が整備。
小さな祠という扱いにもなり、様々な神が祀られている。

社殿裏手にはお堂。
プレハブ小屋の簡易な造りではあるが、内部は社殿同様に多くの神仏像が安置。
救世観音菩薩を中心に、創建者である先代が集めたという仏像や神像が多数。

行者はこのお堂で修行をしてから、各地へ向かったと云い、今も一部で利用されている。二代目は「簡易なお堂で申し訳ない」と言いつつも、こうして今も毎日大切に保護され、お経もあげていると云う。

社殿前には「かしわ七福神」の福禄寿。
暫く未完成であった「かしわ七福神」であるが、当宮は福禄寿を担っている。

かしわ七福神は、柏に住む人々によって結成された「かしわ七福神創立を考える会」が、柏市にも七福神巡りを、と云う理念の基で活動を行っていた。(お隣の流山市や松戸市には七福神がある)
暫くの間、寿老人と毘沙門天が未定であったが、平成二十九年(2017)に全ての七福神が決まり、七福神巡りをできるようになった。
かしわ七福神
弁財天:幸町辨財天(柏市柏4-10-22
恵比寿:香取神社(柏市旭町2-7-23
福禄寿:豊受稲荷本宮(柏市豊四季972-14
大黒天:塚崎神明社柏市塚崎1460
布袋尊:福満寺(柏市大井1708
毘沙門天:大洞院(柏市花野井1757
寿老人:香取神社(柏市戸張1309

見開きの絵付き御朱印・福絵の頒布も

御朱印は社務所にて頂ける。
御朱印は複数用意しており、通常時は作り置きによる別紙での頒布となる。

御朱印の種類は随時追加されたり期間限定のものもあり。
見開きの作り置き御朱印は、参詣時に6種類用意していた。
御朱印の種類については公式サイトをご覧頂きたい。

作り置き御朱印は何れも印判や印刷であるが、福絵師あず之助による直接手書き御朱印も提供できる場合がある。(大変な混雑となるため次回受付は未定)

また福絵と呼ばれるイラストも用意。
御朱印と同じく、福絵師あず之助によるものとの事で、こちらも社務所に問い合わせの上、お受けすると良いだろう。

御朱印の受付は、10時-17時頃まで受付。
留守の場合もあるため、遠方からの場合は一度電話にて確認して頂きたいとの事。

当宮は氏子も檀家もなく崇敬者によって細々と維持されているため、こうして御朱印に力を入れる事で少しでも神社をよくしようと努力されている。

所感

柏にある現代では珍しい神仏習合の神社。
明治の神仏分離によって神社と寺院は分けられたが、かつては長い間、神仏習合のもとで人々は神仏を信仰していた。
戦後の創建ながら、神仏習合の神社を維持するのは大変な苦労があったそうで、そうした形式は現在の代表である二代目も維持している。
現在は「伏見稲荷大社」との関係も密にし、神仏習合の神社・寺院・道場として崇敬を集めている。
崇敬者によって何とか維持できているとおっしゃっていたが、現在は御朱印にも力を入れるようになり、参詣者が増える事で、少しでも神社運営維持に充てたいという努力が伝わる。
筆者は朝に参詣し昼まで長々と居座ってしまったのだが、色々なお話を聞かせて頂き有難かった。
御朱印を頂くだけでなく、様々な瑞祥など面白いエピソードを聞く事ができるので、ぜひ色々とお話も伺って欲しい。

神社画像

[ 鳥居 ]


[ 参道 ]

[ 手水舎 ]

[ 狛犬 ]


[ 社殿 ]










[ 社殿内部 ]



[ 神狐像 ]


[ 石碑(小祠) ]


[ 福禄寿像 ]

[ 社殿横 ]

[ 墓所 ]

[ 稲荷社 ]

[ お堂 ]

[ お堂内部 ]

[ 社務所 ]


Google Maps

    脚注
  • 当ブログに掲載している情報は筆者が参拝時の情報です。最新のものではない可能性がありますのでご理解下さい。
  • 当ブログ内の古い資料画像は「国立国会図書館デジタルコレクション」の「インターネット公開(保護期間満了)」から使用しています。
  • その他、筆者所有以外に使用した資料画像がある場合は別途引用元を明示しています。
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