出雲大社東京分祠 / 東京都港区

出雲大社東京分祠(いづもおおやしろとうきょうぶんし/いずもたいしゃとうきょうぶんし)

御祭神:大国主大神
社格等:─
例大祭:4月15-16日・10月15-16日
所在地:東京都港区六本木7-18-5
最寄駅:六本木駅
公式サイト:http://www.izumotaisya-tokyobunshi.com/

御由緒

 出雲大社東京分祠は出雲大社(島根県)の御分霊を奉斎する都内唯一の分祠であり東日本の要として、第八十代国造・出雲大社初代館長の千家尊福公によって、明治十一年、千代田区の神田神社社務所内に、東京主張所を設けたのに始まります。神田神社は、出雲大社と御祭神が同じだけでなく、当時の宮司は平田学派の平田盛胤でその関係も深く、また初代の出張所長は本居宣長の学統を継ぐ本居豊頴で、祭神論の当時は東京における出雲派の拠点でもありました。やがて、明治政府の宗教政策により神職による布教が禁じられたことで、明治十五年五月尊福公は出雲大社教の特立をはかることになりますが、それに先立って東京出張所は明治十五年四月麹町区上二番庁に移転されました。明治十六年五月には東京出張所に神殿を設立し、尊福公が親しく出雲より御分霊を奉じて鎮座し、出雲大社東京分祠が建立されました。落成式には有栖川宮畑家幟仁親王の御臨席を仰ぎ神殿には同宮の筆になる「経国治幽」の額が掲げられました。この時、明治天皇から大和錦二巻を御下賜せられたこと、及び尊福公自ら建立したことは分祠の歴史の深さを示すものに外なりません。

(※頒布のリーフレットより)

参拝情報

参拝日:2016/04/05

御朱印

初穂料:300円
社務所にて。
出雲大社東京分祀

御朱印帳

初穂料:1,000円
授与所にて。島根県出雲市の「出雲大社」と同じものが頒布されている。

※筆者はお受けしていないので情報のみ掲載。
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歴史考察

都内唯一の出雲大社の分祠

港区六本木の神社(教会講社)。
島根県出雲市「出雲大社」からの都内唯一の分祠。
正式名称は「いづもおおやしろ」であるが、一般的には「いずもたいしゃ」と呼ばれる。

分祠という扱いなのだが、これがやや複雑。
「出雲大社」は神社本庁所属ではあるのだが、分祠は教派神道「出雲大社教」包括下の団体。
そのため正確には、神社という扱いとは少し違う。
あくまで「出雲大社」を宗祠とし「出雲大社」内に本部がある「出雲大社教」傘下の団体で、教会講社と呼んだほうが正確かもしれない。

出雲大社と出雲大社教

「出雲大社教(いづもおおやしろきょう)」とは、明治六年(1873)に当時の「出雲大社」大宮司の千家尊福が、布教のため創設した教団である。

元は「出雲大社敬神講」として創設していて、いわゆる出雲派と呼ばれる。

当時は明治政府が誕生したばかりで、王政復古・祭政一致の方針のもと、天皇を天照大神より続く万世一系の絶対的権威として国民教化を図るべく、国家神道の整備を進めていた時代。
「伊勢神宮」の伊勢派と、「出雲大社」の出雲派が対立。
結果的に伊勢派の勝利で決着している。

そういった影響下の中、明治十五年(1882)に内務省の通達により神職の布教活動が原則禁止。
これによって布教のための「出雲大社敬神講」は「出雲大社」より独立を余儀なくされ、大宮司であった千家尊福は宮司を辞職し、「神道大社派(後に神道大社教)」を結成。
初代管長となり布教活動を継続した。
教派神道(神道十三派)のうちの1つに数えられた。
戦後の昭和二十一年(1946)に「神道大社教」は現在の「出雲大社教」に改称。
昭和二十六年(1951)に「出雲大社」を宗祠とする形で「出雲大社」に復帰合併。
こうした経緯があり「出雲大社」と創設時から現在まで大変密接な関係を持っている。

現在は「出雲大社」社務所内に教務本庁(本部)があり、「出雲大社」の神職が「出雲大社教」の教職員を兼務している。

「出雲大社」は神社本庁所属ではあるが、「出雲大社教」は神社本庁の包括関係にはない。
この辺がやや複雑なのだが、「出雲大社」は神社本庁所属の神社で、「出雲大社教」はその教えを布教するための「出雲大社」の教務部として活動、という事になる。

そのため、布教機関は神社というよりも出雲大社教の「教会講社」という呼び方になり、その規模や歴史などから「分祠」「大教会(分院)」「教会」「支教会」に分けられている。
当社は東京の布教機関(分祠)という事になる。

東京分祠の歴史

明治六年(1873)に「出雲大社」大宮司の千家尊福が、布教のため出雲大社教の元となる出雲大社敬神講を創設。
明治十一年(1878)に千家尊福が、東日本での布教の要として「神田神社(神田明神)」社務所内に東京出張所を設ける。
これが当社の起源という事になる。

何故「神田明神」に置かれたかというと、「出雲大社」の御祭神と「神田明神」の御祭神は大国主大神(「神田明神」では大己貴命と称される)で同じという事が挙げられる。
元々「神田明神」は出雲系により創建されたとされており、出雲派との繋がりが深い。
当時はまだ「伊勢神宮」の伊勢派と、「出雲大社」の出雲派が対立していた時代であり、当時の「神田明神」は東京における出雲派の拠点でもあった。

明治十五年(1882)、東京出張所は東京府麹町区(現在の千代田区一番町)に移転。
この年は上述したように、内務省の通達により神職の布教活動が原則禁止となる。

そのため、布教のための出雲大社敬神講(現在の出雲大社教)は「出雲大社」より独立し、「出雲大社」大宮司であった千家尊福は宮司を辞職、神道大社派(神道大社教)を結成し、初代管長となり布教活動を継続した。
明治十六年(1883)、東京出張所に社殿(神殿)が設立。
「出雲大社」より千家尊福が御分霊を奉じて鎮祭し、「出雲大社東京分祠」が建立された。
同年には有栖川宮幟仁親王が御臨席の上で落成式が行われた。

この時、明治天皇から大和錦二巻を下賜されている。

以上の事から、当社の起源は明治十一年(1878)の東京出張所の設立時。
当社の創建は明治十六年(1883)に社殿(神殿)を設立した時、という事になるだろう。

明治二十二年(1889)、麻布区材木町(現在の港区六本木七丁目)に社殿(神殿)が移転。
これが現在の鎮座地とほぼ一致し、当時はある程度の規模の境内を設けた神社に近かったようだ。

第二次世界大戦が始まると、昭和二十年(1945)の東京大空襲によって社殿(神殿)が焼失。

その後、霞町一番地の仮事務所で布教を行っていた。
戦後の昭和二十一年(1946)に、実践女子学園の「香雪神社」が廃祀となったため、その社殿を当社に遷座させている。

昭和三十六年(1961)、現在地に木造社殿(神殿)が建設されて再建を果たす。
上述の「香雪神社」を祓社として祭祀している。
昭和五十五年(1980)六本木界隈の開発に伴い、鉄筋コンクリート造りの神殿(現在の社殿)に改築され、現在のビルの中にある形となった。

参拝方法は二拝四拍手一拝

六本木の繁華街の路地裏にある当社。
社殿(神殿)もビルの中の3Fにある形となっているのが特徴的。

元々は木造の神社らしい社殿があったようだが、昭和五十五年(1980)に鉄筋コンクリート造りの現在の形へとなった。

正面の階段を上り、さらに左の階段から3Fへ上がる。
3Fまで上がるとすぐに拝殿が見えるのだが、その左手に手水舎が用意されている。

こちらで身体を清めてから拝殿前へ。

「出雲大社」の参拝方法は「二拝四拍手一拝」となっている。
一般的には神社では「二拝二拍手一拝」ではあるが、「出雲大社」では拍手が4回となるため注意したい。

この日は出雲大社教の教信徒の方が熱心に神語を唱えていた。

拝殿の左手、手水舎よりももっと左手に「祓社」がある。

戦後の昭和二十一年(1946)に、実践女子学園の「香雪神社」が廃祀となったため、その社殿を当社に遷座させており、これを現在は祓社としている。
拝殿で参拝後にセルフ式でお祓いが可能。

手水舎側には授与所(御守所)があり、授与品などはこちらで。
拝殿の右側には社務所があり御朱印はこの社務所にて拝受できる。

なお、別の方が断られていたのだが、御朱印を半紙での用意はしていないとの事で、御朱印を拝受する場合は御朱印帳を持参する必要がある。

所感

六本木の繁華街にある当社。
正確には神社というよりも、「出雲大社」内にある出雲大社教の布教機関(教会講社)という形になる。
そのため教会という呼び名のほうが正しいように思うし、社殿ではなく神殿のほうが正しいのだろう。
ただ、当ブログでは便宜上、神社という形で紹介させて頂いた。
東京には古代に出雲族によって創建された神社が多くあり、それこそ「氷川神社」系や「神田神社(神田明神)」なども、出雲の神々との繋がりが深い。
そうした中で、当社は「出雲大社」と密接な関わりのある、都内唯一の「出雲大社」の分祠。
「出雲大社」で授与している授与品はこちらで手に入る事ができ、東京からは遠い「出雲大社」にこうして触れる事ができるのは、何とも素晴らしい事だと思う。

神社画像

[ 社殿(神殿) ]




[ 手水舎 ]

[ 拝殿 ]


[ 祓社 ]

[ 授与所(御守所) ]

[ 社務所 ]

Google Maps

    脚注
  • 当ブログに掲載している情報は筆者が参拝時の情報です。最新のものではない可能性がありますのでご理解下さい。
  • 当ブログ内の古い資料画像は「国立国会図書館デジタルコレクション」の「インターネット公開(保護期間満了)」から使用しています。
  • その他、筆者所有以外に使用した資料画像がある場合は別途引用元を明示しています。
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