安住神社(バイク神社) / 栃木県塩谷郡

塩谷郡

神社情報

安住神社(やすずみじんじゃ)

御祭神:住吉大神(底筒男命・中筒男命・表筒男命)・神功皇后(息長足姫命)
社格等:郷社の後に村社
例大祭:10月17日
所在地:栃木県塩谷郡高根沢町上高根沢2313
最寄駅:宝積寺駅(車で15分ほどの距離あり)
公式サイト:http://yasuzumi.com/

御由緒

 事称、(899年・昌泰二年)、宇多上皇行幸『扶桑略記』醍醐天皇、八十嶋祭を行う『日本紀略・江家次第』
 事称、当神社に残る書物には、平安初期・平安中期・第六十代醍醐天皇(昌泰二年・899年)に住吉大社の御分霊を頂き住吉信仰を、この地に新井吉明(あらいよしあき)が勧請したと社伝されています。
 この地に勧請した由来は(事柄)であるが、住吉信仰を全国の地に広めることだったのではないだろうかということが言えます。(頒布のリーフレットより)

参拝情報

参拝日:2017/02/22(御朱印拝受/御朱印帳拝受/ブログ内画像撮影)
参拝日:2015/11/19(御朱印拝受)

御朱印

初穂料:500円
祈祷受付所にて。

※「安住神社」御朱印の他に「バイク神社」としての御朱印も用意。
※御朱印帳を拝受した場合はどちらの御朱印代も込みとなる。

[2017/02/22拝受]
(安住神社)

[2017/02/22拝受]
(バイク神社)

[2015/11/19拝受]
(安住神社)

御朱印帳

初穂料:各2,000円(2種類の御朱印代込)
社務所にて。

オリジナル御朱印帳は2016年9月より頒布を開始。
「安住神社」として表面に大鳥居をデザインし、裏面に「三段重ね大鏡餅奉納」神事をデザインしたものと、「バイク神社」としてライダー達をデザインしたものの2種類。
御朱印帳は2種類の御朱印代が込みとなっている。
透明の防水カバーも一緒についてくる。

※バイク神社御朱印帳は当初限定100冊を予定していたが、好評につき追加となった。
※シリアル番号が印字されており、筆者が拝受した時点で「348」。

[ 表面 ]

[ 裏面 ]

授与品・頒布品

ステッカー各種
初穂料:─
授与所にて。

※2015年に参詣時は下記ステッカーを無料で頒布して頂けた。
※現在はステッカーの無料頒布は行っておらず、一部ステッカーは200円で頒布している。
※バイクで参詣された人にはドリンク(缶コーヒーや缶ジュース)を無料で頂ける。

二輪車交通安全御守(ジェットヘル版)
初穂料:1,500円
授与所にて。

※従来のジェットヘル版に加えて、フルヘル版(2,000円)も用意されている。

二輪車祈願御守護・撤饌
初穂料:祈願の祈祷料(3,000円から)
宮司さんより。

※二輪車祈願後に授与して頂いたもの。(撤饌は祈祷料によって違い有り)

歴史考察

バイク神社として知られる高根沢鎮守

栃木県塩谷郡高根沢町上高根沢に鎮座する神社。
旧社格は郷社の後に村社で、高根沢の鎮守。
「住吉大社」からの勧請で、住吉信仰の神社となる。
現在は全国オートバイ協同組合連合会による「バイク神社」認定第1号として知られ、ライダーからの崇敬が篤い。

「住吉大社」から勧請され創建

社伝によると、昌泰二年(899)に創建されたと伝わる。

初代宮司の新井吉明が、国家鎮護のために摂津国「住吉大社」(現・大阪府大阪市)から勧請。
住吉信仰を全国に広めるためにこの地に勧請されたとしている。

古くは正一位「安住大明神」と称され崇敬を集めた。

「住吉大社」は、摂津国一之宮で、全国に約2,300社ある「住吉神社」の総本社、「日本三大住吉」の一社とされる神社であり、古くから住吉信仰の中心的な神社として崇敬を集めている。
住吉大社
摂津国一之宮、いのちの根源、海の神、住吉大社の公式ウェブサイト。 住吉大社は、全国の住吉神社の総本社であり、日本を代表する神社の一つです。大阪をはじめ地域の方々からは親しみをこめて「すみよっさん」と呼ばれ、世界中からたくさんの参拝者が訪れま...

厄祓い清め祓いの神として信仰された住吉三神

住吉信仰で祀られる神は「住吉三神(すみよしさんじん)」と呼ばれる。
底筒男命(そこつつのおのみこと)・中筒男命(なかつつのおのみこと)・表筒男命(うわつつのおのみこと)の三柱の総称であり、当社の御祭神でもある。

神仏習合の時代では、薬師如来(底筒男命)、阿弥陀如来(中筒男命)、大日如来(表筒男命)を本地とする神と考えられ崇敬された。

住吉三神は、伊邪那岐尊が黄泉国の汚穢を洗い清める禊を行った際に生まれた神であり、この事から当社では、「厄祓い・清め祓いの神」として篤く信仰された。

神功皇后の三韓征伐・安産の神としての信仰

当社など「住吉大社」から勧請された神社は、住吉三神の他に神功皇后が祀られる事が多い。
これは『日本書紀』に記された、神功皇后による「三韓征伐」の伝承によるもの。

仲哀天皇の御代(192年-200年)、大和朝廷に反抗する熊襲・隼人などの部族が蜂起。
その際に仲哀天皇の后である神功皇后が住吉三神より「貧しい熊襲よりも、宝のある新羅を攻めよ。」との神託を得た。
しかし仲哀天皇は神託を信じず、熊襲征伐を行うが敗北し撤退、崩御してしまう。
その後、再び神託を得た神功皇后は、自ら兵を率いて新羅へ出航。
お腹に御子(後の応神天皇)を身篭ったまま海を渡り、朝鮮半島に出兵し、新羅の国を攻めると、羅は戦わずして降服して朝貢を誓い、高句麗・百済も朝貢を約束し、三韓を従わせたと云う。

こうした伝承から当社四柱の神は「勝利の神」「平穏の神」として崇敬を集めた。

また、神功皇后は、御子を身篭りながらの海を渡り、お腹に月延石・鎮懐石と呼ばれる石を当ててさらしを巻き、冷やすことによって出産を遅らせ、凱旋後に無事出産した事から、「子授け・安産・子育ての神」としても信仰された。

神功皇后が産んだ御子が、八幡神とされる応神天皇である。

安住大明神と称され崇敬される

以後、高根沢の鎮守として崇敬を集めた。
史料としてはあまり残っていないが、「安住大明神」として信仰されたと伝わる。

宝暦四年(1754)、本殿が再建された記録が残る。
これは当社の床下柱に以下の墨書が残っている事による。

宝暦四年 甲戌年八月吉日 神主 荒井飛騨守 大願主 阿久津半之助昌保

この頃の本殿が、記録上は3回の修復をしながら現存。
栃木県指定文化財に指定されている。

神仏習合の中で、「安住大明神」として地域の崇敬を集めた。

明治になり安住神社へ改称・戦後の境内整備

明治になり神仏分離。
「安住大明神」の社号を現在の「安住神社」へ改称。
当社は郷社に列し、その後は村社に格下げされている。

全国的にもいくつかの神社でこういった格下げの措置があり、中には氏子が格下げを嘆願した例もあり、当社も神社運営にあたり郷社だと色々と都合が悪い事があっての格下げだったのかもしれない。

昭和三年(1928)、表参道の鳥居が建立など境内整備が行われた。

当社の境内整備が特に進むのは戦後に入ってからとなっている。

昭和五十七年(1982)、朱塗りの大鳥居が建立。
平成二年(1990)、神門を建立し、黄金の狛犬が奉納。
他にも多くの整備が行われており、年々崇敬者が増え、栃木県内でも有数の神社となった。

平成二十五年(2013)、全国オートバイ協同組合連合会から「バイク神社」第一号に認定。
以後はライダーからの崇敬が増え、現在では「バイク神社」として広く認知されるようになっている。

また、大鳥居が建立された昭和五十七年(1982)より、「大鏡餅奉納式」の神事が開始。
毎年12月30日に行われ、当社の御田で収穫されたもち米八俵で突き上げた約500kgのジャンボ鏡餅を奉納する神事として知名度が高い。

安住神社の大鏡餅奉納式・元旦祭 | 高根沢町

境内案内

朱塗りの大鳥居・黄金狛犬が安置された神門

当社周辺には鉄道が通っておらず、宝積寺駅より車で約15分、宇都宮駅より車で約30分とかなり距離があるため、車やバイクなどで参詣するのが望ましい。
特に「バイク神社」として知られるようになってからは、ライダーによる参詣が多く、ツーリングコースに組み込まれる事も多い。
広い駐車場はヘリポートも完備しており、「ヘリコプターフライト体験」といった催しも行われる。

平成二十九年(2017)の「ヘリコプターフライト体験」は以下の通り。
5月4日-5日 10:00-16:00
大人4,000円・子供3,500円
当日申し込みのみ。

第3駐車場の正面には昭和五十七年(1982)建立された朱色の大鳥居。
創祀1090年祭記念事業の一環として建立された高さ12mの大鳥居は、「明神鳥居」としては関東一を誇り、当社のシンボルとなっている。

大鳥居を潜ると正面左手に社殿となるが、こちらは表参道ではなく西参道という形になるため、正面の表参道へは大鳥居を潜らずに第2駐車場などがある右手から回り込む形で、参拝順路の立て看板が立っているので、それに従うと良い。

南側に表参道の鳥居が立つ。
昭和三年(1928)に建立されたもので、鳥居を潜るとその先に神門。

神門は、平成二年(1990)に創祀1100年祭として建立されたもの。
神門には黄金狛犬が奉納され安置されている。
銅製の狛犬に金箔を施したと云う豪華なもの。

神門を潜ると神域。
玉垣で整備された参道の先に社殿が見え、左手に手水舎。
平成十一年(1999)に建立された手水舎で、清瀧龍神として整備もされている。

江戸中期に造営された本殿・境内社など

拝殿・本殿共に社殿は朱塗りの社殿。
昭和五十五年(1980)に拝殿と幣殿の改修が行われた。
本殿は、宝暦四年(1754)に再建されたものが現存していると見られており、これまで記録としては3回の修復を経て現存している。

残念ながら境内から本殿へ回り込む事ができないため、直接しっかり見る事はできないが、栃木県指定文化財に指定されており、画像は下記の栃木県文化財サイトで確認できる。

とちぎの文化財

境内社は神楽殿の裏手に整備されている。
神楽殿の左手に生子神社、右手に天満宮、その裏手に八雲神社と鎮座。

近年では、表参道右手に「子宝育神社」が整備された。
当社は古くから「子授け・安産・子育て」の御利益があるとされているため、整備されたもので、幾つかの神社に見られるように男根や女陰をお祀りした神社となっている。
多くの安産祈願の御守や絵馬が掛かり、「子授け・安産・子育て」の御神徳として信仰されている。

話題作りのために整備された感もあるが、当社の御祭神である神功皇后は「子授け・安産・子育て」の神として崇敬を集めているため、御祭神との繋がりからこうして境内整備が行われたのは、神社側の努力によるものであろう。

バイク神社としてライダーから崇敬を集める

近年は「バイク神社」としてライダーから篤い崇敬を集めている。

平成二十五年(2013)、全国オートバイ協同組合連合会から「バイク神社」第一号に認定。

バイク神社
「全国バイク神社認定第一号」は当社の商標登録で、「バイク神社」「オートバイ神社」も当社が商標登録出願中。

ライダー向けに交通安全祈願などを行った事で、ライダーからの人気が高く、ツーリングコースに当社を組み入れる事も多い。

境内整備も進み、授与所の裏手が「バイク神社」。
顔ハメパネルが置かれ、その先が「バイク神社」として整備されている。
1年間の役目を終えた二輪車交通安全御守が多く奉納されており、当社への崇敬の篤さが伝わる。
当社を訪れたライダー達による記念写真が所狭しと飾られているのが特徴的。

バイクで参詣されたライダーは、授与所でドリンクを無料で頂ける。
寒い時期には温かい缶コーヒー、暑い時期は冷たい缶ジュースと、その配慮が有り難い。

2015年に参詣時は色々な種類のステッカーを無料で頒布して下さったが、現在は行っておらず、一部ステッカーは初穂料200円にて頒布している。
筆者もツーリングで訪れ、交通安全祈願をして頂いたが、お祓や祝詞奏上、巫女舞(豊栄舞)の奉納と、とてもしっかりとしたご祈祷をして頂き有り難い。
バイクで訪れた際は交通安全祈願も合わせて申し込むのもよいだろう。

授与所には「バイク神社」としての授与品も豊富。
当社オリジナルの二輪車交通安全御守は特に人気で、以前はジェットヘル版のみであったが、現在はフルヘル版も用意しており、ヘルメットのカラーも複数用意している。

平成二十八年(2016)9月からは「バイク神社」の御朱印帳も頒布開始。
当初限定100冊を予定していたが、好評につき追加となっており、各御朱印帳にシリアル番号が印字されていて、筆者が拝受した時点で「348」。

御朱印は祈祷受付所(社務所)にて。
「安住神社」と「バイク神社」の御朱印を用意しており、初穂料は各500円だが、御朱印帳を拝受した方は2種類の御朱印代も含まれる。

所感

高根沢の鎮守として創建された住吉信仰の当社。
戦後になり境内整備が進んでおり、神社や氏子崇敬者によって様々な努力をされている事が伝わる。
当社のシンボルにもなっている大鳥居や、黄金狛犬が安置された神門などがその象徴であり、現在では「バイク神社」として知名度が高まっており、ライダーからの崇敬が篤く、こうして展開が成功を収めていると云えるだろう。
立地的に決してよい場所とは言えない鎮座地であるが、こうした努力によって多くの崇敬者を集め、神社や立派に維持され発展していくのは素晴らしい事であるし、努力の賜物である。
従来の厄除け・安産・子授けといった御利益と共に、「バイク神社」としての要素が高まっており、バイク好きな方なら楽しめる神社なので、ぜひツーリングコースに組み入れて参詣してもらいたい。

神社画像

[ 大鳥居・社号碑 ]



[ 鳥居・社号碑 ]

[ 神門 ]

[ 黄金狛犬 ]



[ 参道 ]

[ 手水舎 ]

[ 社殿 ]



[ 神楽殿 ]

[ 子宝育神社 ]



[ 参集殿 ]

[ 社務所 ]

[ 授与所 ]



[ 絵馬掛 ]

[ バイク神社 ]




[ お祓い所 ]

[ 第3駐車場 ]

[ 石碑 ]

[ 大鏡餅芝桜 ]

[ 案内板 ]

Google Maps

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