小石川大神宮 / 東京都文京区

文京区

概要

伊勢神宮の遙宮・小石川大神宮

東京都文京区小石川に鎮座する神社。
東京における「伊勢神宮」の遙宮(とうのみや)とされる。
昭和四十一年(1966)に「伊勢神宮」の崇敬者総代の起請で「伊勢神宮」より皇大御神の別大麻である特別御神璽を奉戴して創建。
戦後に創建された神社で、当時はビルの先に通路がありその奥に社殿が鎮座。
令和三年(2021)に社地をやや移転して遷座、新社殿が造営された。
入り口と拝殿前の2基の鳥居は「伊勢神宮」の別宮「月読宮」の古材が下賜され建立している。

神社情報

小石川大神宮(こいしかわだいじんぐう)

御祭神:天照皇大神
社格等:─
例大祭:3月7日
所在地:東京都文京区小石川2-6-9
最寄駅:後楽園駅・春日駅
公式サイト:http://www.koishikawadaijingu.jp/

御由緒

 創立御鎮座は昭和四十一年三月七日、これはさきに伊勢の神宮総代であった創立者佐佐木勝造翁の赤誠による申請に対して、伊勢の神宮より特別御神璽(別大麻)を特に拝戴し、創立御鎮座したことに依ります。間も無く小石川大神宮崇敬会が結成されました。爾来、年を追って崇敬会員が全国的に増加し、神宮の「遙宮(とうのみや)」とも呼びなされ今日に至っています。崇敬会の目的は、伊勢の神宮の御神徳を遍く国内にひろげ、敬神の念を育成して道義の向上を社会福祉に貢献し、ひいては皇室国家の隆昌と世界の平和に寄与せんとする当社創建の趣旨を扶翼せんとするものであります。(境内の掲示より)

参拝情報

参拝日:2023/10/09(御朱印拝受)
参拝日:2023/05/16(御朱印拝受/ブログ内画像撮影)
参拝日:2023/03/24(御朱印拝受)
参拝日:2023/03/10(御朱印拝受/御朱印帳拝受)
参拝日:2022/03/07(御朱印拝受)
参拝日:2021/10/04(御朱印拝受/ブログ内画像撮影)

御朱印

初穂料:500円
社務所にて。

※月替りの御朱印や季節や祭事に応じて限定御朱印を用意する事あり。

最新の御朱印情報
3月1日-7日まで「例大祭限定御朱印」
※3月7日が例大祭。日付は7日に固定。
3月1日-31日まで「月替り御朱印」(通常と見開きの2種類)「看板犬こいしの月替り御朱印」「こいしのひな祭り御朱印」「こいしのホワイトデー御朱印」
3月1日・7日・27日は「梟の限定御朱印」
※毎月1日・7日・27日の恒例祭典日の限定御朱印。その他御朱印を用意している場合あり。御朱印の最新情報は公式Instagramにて。

御朱印帳

オリジナル御朱印帳
初穂料:2,000円
社務所にて。

オリジナル御朱印帳を用意。
キラキラした粒状の模様と社紋。
シンプルだがキラキラしていて綺麗。
白と桃の2色展開。

新御朱印帳情報
2023年3月25日より新デザインの御朱印帳(3色)頒布開始。
※詳細は公式Instagramにて。

授与品・頒布品

野球必勝祈願絵馬
初穂料:500円
社務所にて。

※WBCに合わせて数量限定での授与。

交通安全ステッカー
初穂料:500円
社務所にて。

※白と赤の2種類あり。

歴史考察

戦後に伊勢神宮より特別御神璽を奉戴して創建

社伝によると、昭和四十一年(1966)に創建。
「伊勢神宮」の崇敬者総代・佐佐木勝造氏の起請で、「伊勢神宮」より皇大御神の別大麻である特別御神璽を奉戴して創建。

特別御神璽(とくべつおほみしるし)
「伊勢神宮」(内宮)・皇大御神(すめおおみかみ)の別大麻。
元は海外公民団などの申請によって「天照大神を奉斎して永久に敬神の誠を捧げんがために神受の申請があったとき、詮議の上大宮司の決裁により授与される」定めとされる特別なもの。
かつては官幣大社「樺太神社」など日本統治時代の海外の神社がこの手続によって創立されたと云う。
そのため当宮の創建は極めて異例な事が窺える。
同年の3月7日に鎮座祭が行われており、当宮の例大祭は同日となっている。

当宮の創建に深く関わった佐佐木勝造氏は極めて敬神の念が篤い人物だったと伝わる。
伊勢神宮の第59回式年遷宮(1953年)でも多大な寄進を行い崇敬者総代とされた。
「伊勢神宮」の御神徳を広めるため神社創建を発願し当宮の創建に至っている。
佐佐木勝造氏の奉納により無事戦後初の建て替えが行われた宇治橋(「伊勢神宮」内宮に架かる檜造りの橋)の様子。

当宮境内には佐佐木勝造氏の像が建立されている。

伊勢の遙宮(とうのみや)・富坂二丁目町会の氏神に

「伊勢神宮」より皇大御神の別大麻である特別御神璽を奉戴して創建した当宮。
そのため「伊勢神宮」の分神たる社格と由緒を持ち「伊勢の遙宮」とも称される。

遙宮(とうのみや)
「伊勢神宮」側から見た当宮の呼び方。
「伊勢神宮」のお宮の中でも特に遠く離れた場所にあるお宮。
旧字体の「遙」を使っているが新字体の「遥」でも同じ意味。
伊勢神宮
「お伊勢さん」と親しく呼ばれる、伊勢神宮の公式サイト。正式には「神宮」といい、2000年の歴史を有する日本人の「心のふるさと」です。

御朱印や御由緒書きにも「伊勢の遙宮」の文字。
「伊勢神宮」と深い関わりを有する神社として創建され崇敬者を集めた。

富坂二丁目町会の氏神に
戦後に創建された神社であるため本来は氏子が存在しない崇敬神社。
但し鎮座地である富坂二丁目町会(小石川2や春日1の一部地域)は飛び地のような場所で氏子区域が定まっていなかったため、町会役員が当宮の崇敬会に入会したことを契機に富坂二丁目町会の氏神同然の神社として崇敬を集めている。

神宮式年遷宮による古材を下賜・鳥居を建立

平成八年(1996)、当宮の創立30周年にあたり「伊勢神宮」の別宮「月読宮」の古材が下賜され、社殿の修復(旧社殿)と鳥居を建立。

東京都神社庁より)

「東京都神社庁」の公式サイトにまだ残る旧社殿の様子。以前は佐佐木ビル(現在は解体)の1階に通路がありその先に社殿が設けられていた。

現在の拝殿前にある鳥居はその当時の鳥居を再利用。
旧拝殿前に置かれていた鳥居が新社殿の造営と移設にあたり外皮を削り移設された。

この「伊勢神宮」の別宮「月読宮」の古材は第61回式年遷宮(1993年)のもの。
神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)
「伊勢神宮」で定期的に行われる行われる遷宮。
原則として20年ごとに内宮・外宮の2つの正宮の正殿、14の別宮の社殿を造り替えて遷す。
天武天皇が定め、持統天皇の御代である690年に第1回が行われた。
以後、戦乱の中断や延期もあるが約1,300年に渡り行われている。
最新は平成二十五年(2013)の第62回式年遷宮。
式年遷宮|伊勢神宮
20年に一度、お宮を新たに建て替え大御神にお遷りいただく伊勢神宮最大のお祭り、式年遷宮について長い歴史や思想も交えて紹介します。
当宮は第59回式年遷宮(1953年)に多大な寄付をした佐佐木勝造氏によって創建され、第61回式年遷宮(1993年)と第62回式年遷宮(2013年)の際の古材を下賜(拝殿前の鳥居や参道の鳥居に使用)されたりと「伊勢の遙宮」として式年遷宮との繋がりも深い。

令和三年(2021)に新社殿を造営し遷座

平成二十八年(2016)、創立50周年大祭を斎行。
これを機に参道の鳥居建立、新社殿造営と遷座を行う事とした。

(御願い)平成28年斎行「創立50周年大祭」について| 小石川大神宮
東京都文京区にある小石川大神宮の過去のニュースのページ。
当宮の前にあった佐佐木ビルは解体。参道の鳥居もこの一環で建立されたもの。第62回式年遷宮(2013年)の際の「伊勢神宮」の別宮「月読宮」古材を使用。

平成三十年(2018)、仮殿遷座祭を斎行。

仮殿遷座祭を執り行いました | 小石川大神宮
東京都文京区にある小石川大神宮の過去のニュースのページ。

令和二年(2020)、新社殿を造営。
令和三年(2021)、5月7日に遷座祭が行われた。
境内整備も行われ現在に至る。

境内案内

春日通りの路地に鳥居・神宮式年遷宮の古材を使用

最寄駅の後楽園駅からは徒歩数分の距離。
春日通りから路地に入った先に鳥居の姿。
美しさを感じる檜製の鳥居。
第62回式年遷宮(2013年)「伊勢神宮」別宮「月読宮」の古材を下賜され建立。
平成二十八年(2016)の創立50周年大祭に合わせて鳥居建立事業が行われた。

鳥居の左手には手水舎。
か近づくと自動で水が出るセンサー式。
この日は可愛らしい花手水仕様。

白石の参道・拝殿前の鳥居も式年遷宮の古材

参道には白石が敷き詰められているのが特徴的。
少し足場が不安定なので気をつけたい。(現在はもっと小さな玉砂利に変更)
こちらは2023年10月の参道。
大きな白石で歩くのが困難だったが現在は小さな玉砂利になっているので参拝しやすくなった。

拝殿前にも鳥居。
こちらは第61回式年遷宮(1993年)「伊勢神宮」別宮「月読宮」の古材を下賜され建立。
元は平成八年(1996)に建立された鳥居だが令和の新社殿造営と移設にあたり外皮を削り移設された。

外皮を削っただけで新しく建立したような姿の鳥居になっている。

2021年に遷座・美しい新社殿

鳥居の正面に社殿。
令和二年(2020)に竣工した社殿。
令和三年(2021)に遷座祭が行われたばかり。
美しい切妻造の拝殿。
神明造の本殿。
まさに「伊勢の遙宮」らしい美しい佇まい。

社殿右手にひっそり祀られる恵比寿様

社殿の右手に小さな恵比寿様。
賽銭箱が設けられその奥に恵比寿像。
当宮を創建した佐佐木勝造氏が個人で祀っていた恵比寿様だと云う。
近くには神馬の置物も。

御朱印・月替り御朱印や限定御朱印も

御朱印は境内右手の社務所にて。
とても丁寧に対応して頂いた。
授与所近くには過去の限定御朱印や使用された消しゴムハンコも展示されていた。

御朱印は「小石川大神宮之印」の朱印、「伊勢の遙宮」の印、菊紋と菱紋が合わさった花菱紋。
左は本殿遷座記念の御朱印。
月替りの御朱印も用意していて、こちらは2021年10月の御朱印。
2022年3月の御朱印と同月より毎月1日・7日・27日に授与される梟の御朱印。

毎月1日・7日・27日は恒例祭典日。

2023年3月に頂いたホワイトデー限定御朱印。
現在は月替り御朱印も片面と見開きの2種類出していて、こうしたイベント御朱印も豊富。

看板犬は黒柴こいしちゃん・こいし御朱印

2023年4月より当宮の看板犬として黒柴の「こいし」ちゃんがデビュー。
社務所の扉の前で境内を窺うこいしちゃん。
『めざましテレビ』の名物コーナー「きょうのわんこ」にも出演。
とっても元気で可愛らしい。(撮影時の2023年5月で生後半年ほど)

2023年10月に会った時は大きく成長。
体重も6kg超えたとの事で黒豆柴から黒柴へ。
参拝者たちがみんな笑顔になる人気者。

こいしちゃんの様子は専用の公式Instagramがあるのでそちらを参照。神社での出勤日などもそちらで公開されている。
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2023年5月14日(こいしの日)より、こいし御朱印を授与。
可愛らしいこいしちゃんの御朱印は今後月替りに。
2023年10月のこいし御朱印。

上目黒氷川神社とコラボ・黒柴狛犬巡り御朱印

2023年10月1より看板犬のこいしちゃんと「上目黒氷川神社」の看板犬のかえでちゃんのコラボ御朱印も授与開始。
両社の看板犬が黒柴だった事で実現した「黒柴狛犬巡り御朱印」。
左に当社の看板犬こいしちゃん、真ん中に朱印。
両社の御朱印を頂くとこうして完成。

上目黒氷川神社 / 東京都目黒区
上目黒鎮守の氷川さま。3社の御朱印・目黒川桜御朱印帳。桜御守。御鎮座450年記念・2023年10月15日開催の一心行列。歌川広重が描いた目黒元富士。天正年間創建。疫病知らずと云われた氏子。目黒富士浅間神社。稲荷神社。江戸時代の狛犬。花手水。
黒柴狛犬巡り御朱印
期間:2023年10月1日-12月30日まで
※「上目黒氷川神社」の看板犬かえで「小石川大神宮」の看板犬こいしの2社巡り。

WBCに合わせた日本代表応援限定御朱印・野球世界一記念御朱印

2023年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に合わせて限定御朱印を授与。
侍ジャパンのユニフォームを模した御朱印で、日本代表が勝ち進んでいる間の授与。

当宮のすぐ近くに開催球場である東京ドームがある縁で授与となった。
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™の日本語サイト。ニュースやチケット、試合結果、グッズ情報など。
野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト
野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト。試合や選手、写真、グッズ情報など。

更に野球必勝祈願絵馬も。
数量限定での授与。
筆者も東京ドームで観戦前に参拝したので絵馬も奉納させて頂いた。

2023年3月23日からは野球世界一記念御朱印も授与。
WBC優勝を果たした3月22日付けでの授与となる。
勝手ながら必勝祈願をして全勝優勝となったのでお礼参りをさせて頂いた。

シンプルながらキラキラ美しい御朱印帳

オリジナルの御朱印帳も用意。
可愛らしい色合いで白と桃の2色展開。
筆者が頂いたのは白色。
シンプルながらキラキラと光っていて美しい。

新御朱印帳情報
2023年3月25日より新デザインの御朱印帳(3色)頒布開始。
※詳細は公式Instagramにて。

社務所前にはユニークな授与品も。
マイ柄杓の授与でコロナ禍らしい施策。

所感

戦後に「伊勢神宮」の崇敬者総代・佐佐木勝造氏によって創建となった当宮。
御由緒からもかなり異例で特例の中でも創建となったのが窺える。
「伊勢神宮」の分神を祀り「伊勢の遙宮」とも称される当宮。
旧社殿の時代は1度参拝しただけなのだが、ビルの奥に社殿が設けられていて戦後創建のユニークさが残る神社だったのを記憶している。
今回参拝する少し前の深夜、春日通りを運転していたらたまたま路地から覗くように突然立派な鳥居と月夜に照らされる美しい社殿が見えたため今回改めて参拝したのだが、令和になり新社殿の造営や遷座によって新しく整備された境内は、正に「伊勢の遙宮」たる姿に生まれ変わっていて驚いた。
こうした姿で整備されたのも崇敬者や氏子当然となっている富坂二丁目町会からの崇敬の賜物。
社地は狭く歴史は浅いが地域と共に歩む姿が知れる良い神社である。

Google Maps

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