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概要
関東では大変珍しい母智丘(もちお)神社
東京都町田市原町田に鎮座する神社。
旧社格はなく、大正時代に「母智丘教会」として創建され、戦後に神社本庁に属する神社へ。
宮崎県都城市に鎮座する「母智丘神社」からの勧請と云う、関東では大変珍しい神社。
社地は狭いながらも綺麗な神明造の社殿を有する。
現在は多摩市の「山神社」「乞田八幡神社」の本務社となっている。
現在は原町田七福神めぐりの弁財天も担う。
神社情報
母智丘神社(もちおじんじゃ)
御祭神:豊受姫大神・大歳大神
社格等:─
例大祭:4月23日に近い日曜
所在地:東京都町田市原町田5-12-11
最寄駅:町田駅
公式サイト:http://www7b.biglobe.ne.jp/~mochiojinjya/
御由緒
大正八年三月日向国北諸県郡庄内町地内(現都城市)石峰山山頂に鎮座せる母智丘大神の御神徳を感得せし黒木昇、黒木ハナの両人御分霊を勧請し自宅に奉斎せしが家屋鳴動し畏懼の念に堪えず社殿を創建し奉鎮座した。社殿の老朽化により昭和六十年十月社殿の造営が行われ、夜陰遷座祭を同年十一月九日奉祝祭を執行した伊勢外宮の神明造に擬して設計施工せられた。従って大祭式は現在庭上での祭典となって居る。(境内の掲示より)
歴史考察
大正時代に母智丘神社(宮崎県都城市)から勧請された母智丘教会
社伝によると、大正八年(1919)に創建と伝わる。
黒木昇・ハナの夫妻が「母智丘神社」(宮崎県都城市)の御神徳を感得したことで、母智丘大神の御分霊を自宅に勧請したと云う。
当初は自宅に奉斎していたものの、家屋鳴動したため社殿を建立したのが始まりとされている。
宮崎県都城市横市町に鎮座する神社。
旧社格は県社で、庄内郷の総鎮守。
古くから石峰山(標高245mの丘)にある巨石群は信仰対象とされていたと云う。
石峰山山頂には大きな巨石(神石)があり、下には洞穴もあって白狐が住むと云われていたため「石峰稲荷明神」と呼ばれ信仰を集めていた。
明治三年(1870)に地頭・三島通庸(みしまみちつね)が社殿を改築し祭神も定め、庄内郷の総鎮守とした。
現在は九州でも屈指の桜の名所として知られていて「日本のさくらの名所100選」に選定されている「母智丘公園」の頂上に鎮座している。
創建当初の当社は「母智丘教会」と称し、地域の人々の信仰を集めた。
戦後に母智丘神社へ改称・社殿の造営
昭和二十年(1945)、終戦によりGHQの指示で近代社格制度などが廃止。
昭和二十一年(1946)、宗教法人となり「母智丘神社」へ改称。
神社本庁に属する神社となる。
昭和三十四年(1959)、拝殿を造営。
昭和四十六年(1971)、本殿を改修。
昭和六十年(1985)、旧社殿の老朽化につき社殿を造営。
これが現在の社殿。
その後も境内整備が進み現在に至る。
境内案内
芹ヶ谷公園近くの住宅街に鎮座
最寄駅の町田駅から徒歩数分で芹ヶ谷公園近くの住宅街に鎮座。
町田駅の繁華街からも程近く好立地。
住宅街の路地裏が表参道。
隣は東京都水道局原町田浄水所になっていて車の通行も行き止まりの路地。
「母智丘(もちお)神社」と記された社号標と鳥居。
細い路地の表参道・手水舎
鳥居を潜ると細い表参道。
裏路地といった細い参道であるが綺麗に整備されている。
その先に境内。
参道の左手に手水舎。
手狭な境内ではあるが大切に管理されているのが伝わる。
戦後に造営された神明造の社殿
参道の正面に社殿。
旧社殿の老朽化に伴い昭和六十年(1985)に造営された現在の社殿。
白壁に神明造で調和の取れた拝殿。
大切に維持管理されているのがよく伝わる。
本殿は「伊勢神宮外宮」の神明造に擬して設計施工。
狭い社地ながら立派な社殿を有していて、氏子をもたない神社ながら崇敬者によって支えられているのが分かる。
原町田七福神めぐりの弁財天・看板犬のムク
手水舎の近くに弁財天像。
町田市制50周年を記念して開設された原町田七福神めぐり。
当社はその弁財天を担う。
当社に隣接した宮司宅にいる看板犬のムク。
とても人懐っこくてスリスリしてくれ可愛らしく癒やされる存在。
触れ合う場合は注意書きを良く読んだ上、くれぐれもムクの気持ちを尊重した上で触れ合いたい。
兼務社の御朱印も用意・手作りの御朱印帳
御朱印は社務所にて。
人がいらっしゃらない場合は隣接する宮司宅までの案内あり。
社務所の左手にある一軒家。
看板犬のムクもこちらに。
御朱印は「母智丘神社」の朱印に抱き稲の社紋。
挟み紙にも抱き稲の社紋が押印されていた。
当社の他に兼務社である「山神社(多摩市桜ヶ丘)」「乞田八幡神社(多摩市豊ヶ丘)」の御朱印も頂ける。
オリジナルの御朱印帳を用意。
様々な柄が用意されているが、これらは全て手作りの御朱印帳。
1つ1つ手作りし祓い清めた御朱印帳で有り難い。
所感
町田駅からもほど近い閑静な住宅街に鎮座する当社。
古くは「母智丘教会」と称した教会で、近在からの尊崇を集めたと云う。
戦後になり「母智丘神社」と改称し、現在は神社本庁に属する神社となっている。
初見では読む事が難しい「母智丘(もちお)神社」は、宮崎県都城市に鎮座する神社。
都城市の「母智丘神社」は桜の名所として知られていて、都城市に縁のある人からすると名が知られた神社だと聞くが、関東圏では馴染みのないとても珍しい神社。
そうした神社から勧請された珍しい神社が当社で、その歴史が面白い。
氏子をもたない神社であるが、綺麗に整備された境内や、美しい神明造の社殿など崇敬者によって支えられているのがよく伝わる良い神社である。
御朱印画像一覧・御朱印情報
御朱印
初穂料:300円
社務所にて。
※兼務社「山神社(多摩市桜ヶ丘)」「乞田八幡神社(多摩市豊ヶ丘)」の御朱印も頂ける。
御朱印帳
初穂料:1,800円
社務所にて。
オリジナルの御朱印帳を用意。
母智丘神社が1つ1つ手作りで作り祓い清めた御朱印帳。
様々な柄を用意。
※筆者はお受けしていないため情報のみ掲載。
参拝情報
参拝日:2020/11/05
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